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第176報 2012年07月27日(金)
 オマーンに行ってきました > 写真
 6月21日から28日まで中東に行ってきました。ゴールデンウィークのタイ旅行が流れたので、その振替です。 今回はオマーン王国とアラブ首長国連邦に出かけてきました。
 オマーンでは首都マスカットのリゾートに滞在しました。 飛行機を降りると、ムワッとした熱気と灼熱の太陽、そして、砂漠独特の匂いに迎えられました。 ホテルに向かう車の窓からは市街の白い家々と荒削りの黄色い側壁、オマーン湾岸のきれいな海と空が見渡せて一気に気分が盛り上がりました。
 出発前に仕事が詰まっていてかなり疲れていたので、ホテルに着くととりあえずひと眠りしました。夕方くらいに起きて、リゾート内を散策して一日を過ごしました。オマーンにはトンネルが2つしかないそうです。このあたりの地盤はサンゴ礁由来でもろいので、トンネル作りは難しいのだそうです。その貴重なひとつがこのリゾート内にありました。ちなみに、もう一つは市内の迎賓館近くにあり、それも3日目に制覇しました。
 2日目は朝から学校訪問です。「砂漠に創った世界一の学校」 の舞台であるアザン・ビン・ケイス・インターナショナル・スクールに行ってきました。ここは、オマーンに帰化した日本人女性が創設した学校で、成績優秀で有名です。 創設者はすでに退いていて、現在はIskan Knowledgeという投資会社が買収して経営を引き継いでいます。ですから、本にあるような「日本的な教育」というのは、残念ながらほとんど影が見えませんでした。唯一、学校机は日本のものを使っていました。
 校舎内は校長先生が案内してくれました。ちょうど前週末に学期が終わったところで、子どもたちはほとんどいませんでした。 オマーンは1970年ごろから学校教育が始まったので、教育の歴史が比較的浅い国です。ですが、石油マネーを王様(=国家)が独占しているので、教育への投資は重視されています。 ただ、先生方の質はそれほど高くなく、ゆるい国民性もあって、しっかりした体制にはなっていないようです。 王様が大事にされているので、学校の受付にも、教室にも肖像写真が飾られていました。とにかく暑い国ですから、校庭に長いこと出ていられません。中庭には日よけがかけられていました。
 学校は新学期に向けて新しい教科書の仕分けが行われていました。図書室では、新入生とみられる子どもが書類に書き込む姿もありました。オマーンでは、特に若い女性教師は、男の子からバカにされるので、やりにくいそうです。子どもたちの家には東南アジアやインドあたりからやってきたメイドさんが働いているので、同じような感覚で見られてしまうのでしょう。 教育方法はイギリス式でした。教科書もイギリスから直接取り寄せて使っていました。
 この学校はインターナショナルスクールということで、世界中から教師を採用していました。校長曰く、「顔」として白人のイギリス人も雇わないといけないが、人件費が高い。 だから、そういう人を1人雇おうとすると、インドやパキスタンなどから、安い教員を3人くらい連れてきて、帳尻を合わせるのだ、ということでした。 イギリス人が高い人件費の分だけ有能かというとそうでもないというのがまた困りもので、賃金水準はその国の経済状態によるので、安く有能な人を多く集め、国際的に見える「顔」を少数配置する、という采配が必要だそうです。 日本人の教師は有能だけど、給料も高いから難しそうですね。教員の募集は、学校のホームページを見てメールなどで履歴書を送ってきた人と面接をするそうです。国際的な人材移動の現場でした。
 学校訪問の後は、スーク(市場)へ行きました。乳香や織物、木工品、ガラス細工などが所狭しと並んでいました。シルクロードの交易地として古くから栄えてきた街ですので、中国やインド、パキスタン、東欧、中東など、大陸のさまざまな地域から手作りのものが集まっていました。 砂漠を越えて運ばれてきたのかと思うと胸アツです。
 3日目の午前中は半日市内ツアーということで、中年太りのおじさんがグランドモスクやオールドマスカットを案内してくれました。外はとにかく暑く、建物の中は冷房で寒いので、出たり入ったりしているとすさまじく体力を消耗します。 なので、ホテルに帰った後はもうくたくたで寝てしまいました。
 4日目はお待ちかねの砂漠ツアーです。砂漠はとにかく暑い!冷房のきいた車内から外に出ると、数分で頭がくらくらする感じになります。ちょうど風の強い日だったので、それでもまだ涼しく感じる方だよ、とガイドさん。でも、風は砂を運び、靴の中から耳の穴まで砂まみれになりました。甲子園ではありませんが、許可を取って砂を持って帰ってきました。
 砂漠の後にはオアシスにも行きました。灼熱の空の下、若者や家族連れがのどかな時間を過ごしていました。オアシスで泳いでいた若者たちは、水の中にいる時には涼しくていいのですが、水から上がると岩は焼け石状態で、足の裏が熱くて悶えていました。砂漠での生活は想像以上に大変そうですね。
 5日目は朝から飛行機でアブダビに移動しました。昼前にホテルに着いたのに、ひと眠りしたらすでに夜でした。6日目には有名なモスクに出かけました。真っ白なタマネギたちを背景に、日焼けして黒くなった自分を入れて写真を撮りました。白い建物は涼しげでいいですが、光が跳ね返ってくるので眩しくて仕方がありませんでした。そして、夜の便で帰国しました。
 帰ってきたら、翌日はFalconsの世界一報告会でした。朝から手伝って、子どもたちのプレゼンの直しをしたりしました。夜は打ち上げの飲み会に加えていただきました。飲みの途中、子どもたちに呼ばれて心霊スポットへ。久しぶりに肝試しとかしました。日本の夏は風情がありますね。
 今月はしばらく投稿論文の執筆に集中しました。なかなか思うように書けないですが、指導教官の温かい励ましを受けながら、結構楽しく執筆生活を過ごしました。採択されるか分かりませんが、とにかく一歩ずつ進まないといけません。
 今日から12泊の予定で、福島の子どもたちを三鷹に集めてキャンプをします。原発事故の影響で普段は外で遊んだりプールに入ったりできないので、わずかな期間ですが、安心してのびのびと過ごしてもらいたいと思っています。
ラクダは近くに寄ると臭かったです
ひとこぶラクダと記念撮影
暑いのでこれ以上の無理はできません
ワヒバ砂漠でジャンプ!


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