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第166報 2010年09月03日(金)
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駆け抜けた半年間。
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『夏休みの友』とかいう、大変KYなネーミングの課題集がありました。
この時期になると、必死で終わらそうとする僕の傍らで、はなっから提出する気のない良平が口笛を吹いて遊んでいました。
2月から更新されない「定時通報」を前に、同じ思いでパソコンに向かっています。
もう何から書いたらいいのか分からないので、駆け抜けていった時間を早回しで報告します。
前回はゆうきが高校に合格したところでしたが、その後、しなるも無事に第一志望に合格し、お母さんと一緒に感涙の瞬間を楽しみました。
高校受験にドラマあり、ですね。最近の高校は手厚い指導とかいう名目で課題がどっさり出されるようですから、押しつぶされないように夢に向かってほしいと思います。
春になり、大磯の実家の建て替えが終わりました。お父さんとお母さんは、これで隙間風と寝言で会話する生活からも解放されます。残念ながら、お父さんのいびきからは自由になれませんけど。
新居の二階には一面に大きな窓がつけられ、相模湾が見事に眺望できるようになりました。これから、友達やガイジンを「うちボロいから」とかの前置き不要で招けるのがうれしいです。
アドスタ恒例のお花見@野川公園では、ドイツからのお客様とゆうき&はやとも呼んで、寒空の下でワイワイとサッカーに興じました。かもの結婚と広島行きを祝ってアドスタTシャツを作り、みんなで着ました。アドTは前面にガスマスク、背面に三宅島の地図をあしらった、ファンキーな仕上がりです。
その後のカラオケでは、お歌の合唱も披露しました。つばさがチャラかったです。
5月には、選挙権年齢の引き下げや政治教育を推進するNPO「Rights」からの依頼で、スウェーデンツアーを行いました。総勢10名のツアーでは、青年事業庁や学校教育庁などの官公庁、社会民主党や左党などの政党関係、学校、民間団体などを精力的に訪問しました。
若い(といっても僕より年上が多いけど…)メンバーのパワーはすごいもので、連日白熱した議論を交わしていました。
ツアーの御一行様が日本に帰ってからの1週間は、スウェーデンに残って遊んでいました。明子も自称一人旅ということでほいほいやってきたので、ちょいちょい絡みながらウプサラのみなさんと旧交を深めました。
そして、翌週からはオランダへ。オルタナティブ教育の視察と、コミュニティスクールの実践を見に行ってきました。フレネ、ドルトン、イエナプランの学校を巡りました。
国家教育委員会では、国策として推進されているコミュニティスクールの狙いと実情をお話しいただき、アムステルダムでは実際に施設統合型のコミュニティスクールを見学してきました。
留学を考えたとき、当初はオランダへ行くつもりだったので、この国の事情にはいつも関心を寄せてきました。ですから、今回の旅行は本当に好奇心を刺激され、いつも以上に有意義な1週間でした。
さて、帰国してしばらくはあたふたとし、6月からは江戸川の小学校で図工の先生をしました。4、5、6年生12クラスの子どもたちの図工を1ヶ月担当しました。これは本当に楽しい経験でした。
図工では、他の教科で誉められないような子たちを評価できるという利点があります。
僕は美術とかが専門ではないので、一生懸命取り組んでいる子、独創的なアイデアをもっている子、元気に楽しく活動している子たちを見つけては誉めまくっていました。
この学校は同僚の先生方があたたかくて、得体の知れない僕なんかにも気を遣ってくださり、職員室の居心地がとても良かったです。またご縁があるといいです。
そして、1学期の授業が終わると翌日からミュンヘンへ。ロンドンで知り合ったレオとターニャの結婚式に招待されたので、麗子と二人で行ってきました。
湖畔の古城で開かれた結婚式では、バイエルンの伝統的な衣装をまとった楽しいガイジンとたくさん戯れてきました。急遽八木君に作ってもらった浴衣は大好評でした。古城に浴衣、これがシブいね。
ミュンヘンから帰国すると、オランダからマイケル君が来ていました。マイケルは8年前の世界少年野球大会(金沢大会)に参加した子で、
それ以来僕がオランダに行く度にお家に泊めてもらい、僕がスウェーデンに留学している時はマイケルが訪ねてくる、という感じで付き合いが続いていました。大学に入った彼は、1年間バイト代を貯めて、あこがれの日本へやってきました。
来日初日は良平に東京案内を頼みました。2日目は保田さんと塩野さんにお願いしてキャニオニングと温泉に連れて行ってもらいました。オランダは埋め立てられた平地が続くので、日本の急峻な地形を肌で感じるのもいいかな、と思って企画しました。
そして、3日目からは第20回世界少年野球大会に一緒に参加しました。
代々木のオリンピックセンターと駒沢公園を中心に行われた今年の東京大会は、世界23カ国から子どもたちが集まりました。
マイケルと明子はオランダの、僕はスウェーデンの子どもたちの通訳とお世話をしました。今回は20回の記念大会と言うことで、過去の参加者が多く関わっていて、同窓会のような雰囲気がありました。
僕は高校3年生の時に、横浜大会で初めてスタッフをしましたが、その時に隣の班にいた子どもが大学生になってスタッフとして参加する、という具合です。
野球を続けていると聞くだけでもうれしいですが、こうやって世代を廻す役に回ってくれるというのは、お世話をした側としては本当にうれしいことです。
スウェーデンチームは、全国から選抜された子たちでしたから、これからも野球を通じて世界を広げていってもらえたらうれしいです。
そして、夏の定番、野生体験キャンプです。今年は5年生と6年生の混合班、合わせて7人の男の子たちを担当しました。2日目の早朝から日帰り登山を計画して、限界に挑戦しました。
反省点は多々あれど、子どもたちは一生懸命5日間を過ごしました。そして、やっぱり今年も、下界に帰る頃には子どもたちの野生の目がギラギラと光っていました。やりがいのあるキャンプです。台風一過で晴れるかと期待していたのですが、満点の星空が見えなかったのが心残りです。
キャンプ後は三宅島へ。毎回メンバーが入れ替わっていますが、今回は保田さん、塩野さん、知也と4人で船に乗り、つばさ家に泊めていただきました。現地でよっちやみずき、海舟とも合流し、
ふみやくんやらも絡みながら大勢ではしゃぎました。曇天・大荒れの海水浴では、ふるえながら水切りボールで遊び、石割スイカもいただきました。お世話になったみなさま(特につばさのお母様、よっちのおじいちゃん、みずき家のお寿司)どうもありがとうございました。
そして今日は10年ぶりに疎開当時の三宅小の先生に会いに行ってきました。島ネットワーク、ここへきてまた広がりつつあります。
そんなわけで、駆け抜けた半年間。もっとじっくりと書きたいこともあるのですが、研究はどうなったと突っ込まれるのが怖いのでやめておきます。
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湖畔のお城で結婚式
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世界少年野球大会 in 東京
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第167報 2010年09月20日(月)
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スウェーデン総選挙2010
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参議院会館でスウェーデンの教育について発表したことをきっかけに、政治やメディア方面の方からお声をかけていただくようになりました。
その中で、選挙権年齢の引き下げを目指すRightsというNPOから、スタディツアーの企画を依頼されました。
御一行様はゴールデンウィークにストックホルムを訪れ、青年事業庁や政党関係機関などを精力的に巡りました。
昨日も菅さんのお宅でその報告書のチェックをしていましたが、雑談の話題は最近の代表選と改造内閣、そしてスウェーデンの総選挙についてでした。
スウェーデン留学中は、飲むとはゆかこさんたちと政治論議をしていましたが、日本ではそういう話題は憚られるのでさみしいです。
Rightsのみなさんといると、生活と政治が思うより近いことに改めて気付かされます。
4年に一度行われるスウェーデンの総選挙では、街に選挙小屋が建てられ、学校ではディベート集会や政党訪問、テーマ学習が組まれたりして、人々の関心を集めます。
投票率80パーセント強の国ですから、そこらじゅうが選挙イベントになります。
1970年に議会を一院制にしたので、ねじれになることはありませんが、右派と左派が拮抗しているので、息をのむような選挙戦が展開されています。
(ここらへんは佐藤よしひろさんのブログが丁寧です)
過半数をとるような大政党がないので、政策論争も単純ではありません。
前回の選挙からブルジョア政党がアライアンス(同盟)を組むようになり、左派も赤緑連合を作って対抗しています。
このブロック政治によって、各党は自分の得意分野に先鋭化した政策を打ち出すことが可能になりました。日本のように、選挙結果を見てから連立相手を探すということをしないで、
選挙前から教育や統合政策は国民党、高齢者政策はキリスト教民主党というように、担当分野の政策を強調します。
今回の選挙では、極右のスウェーデン民主党がどこまで得票率を伸ばすかという点が注目されていました。
デンマークに続いてスウェーデンでもムハンマド風刺画事件が起こり、フランスでのブルカ禁止法案がスウェーデンでも議論されるようになるなど、移民排斥を訴える極右が支持を集めています。
特に景気が悪化し、海外に雇用を奪われるような状況になる中で、移民に対する寛容さがなくなってきています。
スウェーデン民主党は若者の支持を多くとりつけていますが、教育法や学習指導要領に定められた学校の基本的価値を尊重しないため、学校現場では対応に苦慮しています。
教員たちは左派が多いのですが、組合の機関紙を読むと、ここのところ毎号スウェーデン民主党に対する批判記事が掲載されています。
しかし、ウプサラで飲んだ左党の青年は、メディアが批判的に取り上げることは右翼の宣伝にしかなっていないと危惧していました。
今回のスタディーツアーで訪れた学校教育庁では、学校が政党を招いて討論会などをする際に、これらの政党にどう対応したら良いかをまとめた冊子を作っていました。
子どもたちには政治を生活の身近な場面として学んでほしいと望む一方で、健全な発達に影響を及ぼすような反社会的な活動にどのように触れさせればよいのか、悩ましいところです。
ちょうど前回選挙のときは2度目の留学が始まったころでした。その時にも学校選挙について書きましたが、今回の結果はどうだったでしょうか。
| 学校選挙 | 総選挙 |
中央党(旧農民連合) | 6.04% | 6.6% | アライアンス 172議席 |
国民党 | 7.92% | 7.1% |
キリスト教民主党 | 2.88% | 5.6% |
穏健党 | 21.96% | 30.0% |
左党(旧共産党) | 6.61% | 5.6% | 赤緑連合 157議席 |
社会民主党 | 22.39% | 30.9% |
環境党 | 13.35% | 7.2% |
スウェーデン民主党 | 12.78% | 5.7% | 極右 20議席 |
海賊党 | 4.55% | 1.4% | 議席なし |
その他 | 1.47% |
[学校選挙2010と中央選挙管理委員会による速報値] |
これを見ると、子どもたちのスウェーデン民主党と環境党、海賊党(ダウンロードの合法化を訴えている)への支持が目立ちます。中道右左派の穏健党と社会民主党は大人の投票よりも控え目です。
子どもたちは、政策が分かりやすい政党に投票しがちな傾向が伺えます。
また、Facebookでは国政選挙アプリが登場し、模擬的に投票が行えるようになっていました。ここでは全体の傾向の他に、年代別、性別などの分類で支持政党の変化を見ることができます。
公共放送(SVT)や新聞各紙のウェブページでは、いくつかの質問に答えると各政党のマニフェストとの適合率を教えてくれるサービスを提供していました。
これを使うと、自分の意見がどの政党に一番近いのかが分かり、投票の参考にできます。前回選挙の時には、アレクサンダーの家族がみんなでこのサービスを試して盛り上がっていました。
政治と選挙への関心を高める仕掛けがたくさん用意されているのに驚かされます。
スウェーデンの政治家の中には教員上がりの人も多くいます。社民党政権下で教育大臣を務めたイルヴァ・ヨハンソンは政治家になる前は基礎学校で数学と物理を教えていました。今回の選挙でも300人以上の教員が国会議員に立候補しました。
教師がある時大臣になるというのも面白い国です。
総選挙の結果、右派のアライアンスが優勢となりましたが、過半数を占めるには至りませんでした。
さすがに極右政党を政権に入れることはできませんから、赤緑連合から連立に引き抜けるかどうか交渉が進められています。
この先の4年間がどう動いていくのか、見物です。
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学校の政党対応について
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ストックホルム市議会
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第168報 2010年11月22日(月)
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武蔵野市民の会
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国の次年度予算が我が家の予算成立に直結するという事態を固唾を呑んで見守る日々です。
とはいえ自宅警備員のお仕事だけでは食べていけないので、あちこちで小遣い稼ぎをしています。
教育のフィンランドブームのきっかけとなったOECDの国際学力調査(PISA)が12月7日に公表されるのを受けて、
その週末の12月10日に速攻レビューシンポジウムを開いたら面白いだろうと閃きました。
「思い立ったが吉日」ということで、もっとも身近な会社員に相談し、ベネッセに企画を持ち込んだところ、引き受けてくださいました。
そして、怒涛の勢いで準備が進み、ついに開催できる運びになりました。たくさんの方々にご協力いただいて感謝の念に堪えません。
研究者はもちろんのこと、メディアや行政の反応も予想以上に大きく、定員(130人)を超える勢いで申し込みが来ています。
シンポジウムの運営は「夜のお仕事」状態で、昼間は大学院と小学校のかけもちです。荒川区の小学校で週に3日働いています。
1年生と5年生の4クラスを担当していますが、そのギャップに驚かされること多々あり。5年生に「時計の長い針が4になるまで…」と言ってしまったり。
1年生の書写では、最初に鉛筆の持ち方、書く姿勢を指導した後、漢数字の「一」から「十」までを清書する授業をしたのですが、一、二、三ときて、なぜ次が「四」なのか、という疑問を出しました。
なぜ横棒を縦に四本並べた字にならないのか、と。そこで、たとえばローマ数字でもT、U、Vときて、次はWなんだな。という例を出して、縦棒4本にならないのは不思議だね、という話になりました。
子どもたちからは当然「先生、書写なのに算数になってるよ」と突っ込まれましたが、つかみはばっちりでした。
予定では「十」までやらないといけない時間に「四」で終わり、目標達成率40パーセントの授業になりましたが、子どもたちの「書写ノート」を見ると、びっくりするくらい丁寧に書いてありました。
授業の良し悪しは誰がどういう基準で見るかによって変わってきますが、僕は子どもたちと「不思議だね(wonder)」という視点が共有できれば満足です。
5年生は電磁石のお勉強です。でも子どもたちは「サッカーロボ工作」の時間だと思っているでしょう。
前にキットを組み立てる授業をした時には、部品をなくす子がたくさんいて苦労したので、今回は各人にビニール袋を配りました。
子どもたちには「今回の授業の目標は、みんなの忘れていった部品を集めて、もう一台完成させることです」と言ってあります。対策が効果覿面なのか、残念ながら(?)まだコンプリートできていません。
最初の授業では銅線を鉄芯に巻いてコイルを作るのですが、これが絡まる絡まる。心配な女の子はすぐに言いに来るのですが「大丈夫、この秋、日本全国の5年生が絡まってるから」と励ましています。
思春期の自殺がニュースにのぼる頃ですが、絡まった人間関係も根気よくほどいていってくださいね。
さて、20日(土)は近所のスペイン料理屋で「武蔵野市民の会」を開きました。結婚して武蔵野に引っ越してきてから、地域の新しいつながりをつくろうと始めた飲み会です。
武蔵野市に住む人たちが立場を越えておすすめの地域情報を交換できればいいと思っています。今回はピチピチの大学生から人生の熟達者まで18人が集まりました。
国の中枢で働く人やそれを伝えるメディアの人、経営者や管理職、教師や主婦、ぷー太郎(私)まで、生活シーンが多様なので、話題も面白くなります。
普段ゆっくりお話をする機会のない方々から現場のナマのお話を聞けるというのは人生の糧になります。
今回集まった方々が次回にはそれぞれの知り合いを誘って来る、という形で、新しいネットワークが広がっていくことを期待しています。
書きたいことはたくさんありますが、最近のニュースについて2点。ロシアのメドベージェフ大統領が国後島を訪問しました。
菅さんもすぐに国後に駆けつけて、大統領を国賓対応でお迎えすればよかったのにと思います。ゆっくり2人で話せるせっかくのチャンスだったわけですし、(政府見解からすれば)わざわざ我が国の領土に出向いてくださったわけですから。
APECの準備で忙しかったとはいえ、客人をもてなしもせず帰してしまったのは残念です。
それと谷亮子さんが柔道をやめてしまいました。「女が嫌いな女」(「週刊文春」)の1位になったりして、嫉妬って怖いなと思うわけです。
もし柔道を続けて、次のオリンピックに出たとしたら、仮にメダルが取れなかったとしても、海外のメディアは「女性議員でスポーツも一流」と報じたと思います。
日本が女性の活躍を応援できる国であることをアピールするために、この上ない逸材だと思います。
一人の女性として、母親として、柔道家として、そして政治家として一生懸命な姿は立派です。
でも、何の報復か、全日本柔道連盟は谷さんを冷遇し、国民も斜めの視線を送り、ついに諦めさせてしまいました。
女性の社会的な自立がいかに難しいかということをさらけ出してしまったと思います。残る仕事は懐かしの「スポーツ平和党」を再組織するくらいないではないですか。
もったいない。
最近メディアの取材をよく受けるようになりました。学校を建てよう構想もそろそろ胎動が聞こえて来ましたが、ふと見渡すと僕の周りには若いアントレプレナーが多いことに気がつきました。
PISAシンポの企画で思うことは、僕は「組織で働く」より「組織と働く」ことに向いているのではないかということです。
就活がブームになっていますが、「どんな仕事をするか」よりも「どの会社で働くか」が優先される社会というのは奇妙です。
そもそも、「仕事」というのは決まったカテゴリーではなく、状況によって柔軟に再構築されるべき概念だと思います。
いま小学校で向き合っている子どもたちも含め、若い人たちが人生というプロジェクトを自ら起業できる社会にしたいな、と思います。
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畠山さんデザインのシンポチラシ
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新メンバー加入の林家法事@大磯
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第169報 2010年12月21日(火)
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PISA2009レビューシンポジウム開催
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仕事運が◎な師走です。12月10日に国際学力調査のシンポジウムを開催しました。企画を始めた当初には130人の定員が埋まるかと心配していましたが、受付開始から勢いよく申し込みをいただいたので、席数を250人に増やしました。
それでも当日には立ち見が出るほどの盛況で、企画者としては感涙ものでした。研究者はもちろん、教育関係者、メディアに官僚、政治家など、さまざまなジャンルの方が日本中からバランスよく参加されました。
参加者からお礼のメールが届いたり、ブログに感想が載せられたりしていて、反響もよかったです。日曜日付の朝日新聞朝刊では、教育欄一面を使って、ドーン!!と記事を載せていただきました。ありがたいことです。
昨晩は参宮橋でシンポジウム事務局の反省会をしました。今後に生かすべき反省点が多く出ました。参加者アンケートからは、運営に対するあたたかいメッセージも多くありました。
今回は単発のイベントですが、これをきっかけに新しい試みにもどんどん挑戦していきたいです。
11月末にはウプサラからまみさん一家が来日したので、トニーさん、恋ちゃん、萌くんと、まなみさんを交えて、メイド喫茶に行ってきました。秋葉原は2年前までご近所でしたが、建物もどんどんのっぽになっていくし、雰囲気も国際色豊かになっていて驚きます。
外国人のメイドさんもたくさんいました。恋ちゃんはメイドさんに「かわいい〜!!」と言われ、なんだか立場が逆転していました。
最近メディアとのコンタクトが増えています。小学校にも取材に来たいという話があったので、それならぜひに、ということで新聞社の方にお願いして授業をしていただきました。ちょうど5年生では国語で「ニュース番組作りの現場から」という単元をやっていますし、社会では「情報を伝える人々」という単元があります。
ブリュッセル支局長を務めたゲスト講師はできたてほやほやの新聞記事や真っ黒に書き尽くされた直し原稿を見せながら「海外に行きたくて新聞記者になった」というお話をしてくださいました。若い人たちの関心が内向きになる中で、第一線で活躍する方のお話しを聞いて、大きな世界を知るというのは子どもたちにとって貴重な機会です。
お忙しい中ご協力いただいた新聞社の方や、調整を快く引き受けてくださった小学校の先生や管理職には感謝です。
週末は野生のメンバーと静岡へ遊びに行ってきました。新婚の内田夫妻宅にお邪魔して、温泉、桃鉄、コタツにみかんという極めて王道な冬の静養を楽しみました。夜は鉄板焼き、昼は真鶴港&沼津港で海鮮づくしと、贅沢三昧でした。生しらすが絶品でした。
来年初めにはのりすけくん誕生ということなので、アマゾンからパンパースを小分けにして送ります♪
さて、良平がひと月ほどアメリカに遊びに出かけました。来年に入ると僕も、1月にシンガポール、2月にスウェーデン、3月にスウェーデン&フィンランドと、毎月海外に出かける上(注: 全部仕事ですよ〜!!)、小学校のウィンタースクールなんかも入っていて、ほとんど家にいない状態になります。麗子さんごめんなさい。
来年も充実したよい年になりますように。
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まみさん一家とメイド喫茶へ
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PISA2009レビューシンポ開催
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第170報 2011年03月08日(火)
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日本と世界の教室を往来する日々
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ぷらぷら世界を放浪する日々ですが、週末は本業の学会発表です。そして、課題の締切りが迫ると別のことをやりたくなる性分なもので、停滞していた定時通報の更新と相成るわけです。
正月過ぎには朝日新聞の「窓」欄に「学校をつくる夢」と題して僕の記事を載せていただきました。夕刊のコラムだったのですが、何人かの方から「読みましたよ」と声をかけていただいて、にわか有名人になってみました。
学校構想はどんどん膨らんでいきますが、なるべく早いうちに具体的な成果が出せればいいな、と動いているところです。
1月には2泊4日のシンガポール旅行に行ってきました。羽田発というのは便利ですが、つらいです。小学校、中学校、国立教育研究所と教育省を訪れ、最近出たPISAの結果や学校改革、授業研究の情勢を見聞してきました。
小学校では、ゲームとスポーツを売りにしていて、任天堂のWiiを使ってエクササイズをしていました。
ぷっくりした男の子が大汗をかきながら、一生懸命画面に向かっている姿が印象的でした。土地が限られているシンガポールならでは、というところもあるでしょうが、原産国である日本でこの実践が生まれないことがちょっと残念に思います。
図書室にはペーパーバックの本は少しだけで、大量のボードゲームとCDやDVDが置かれていました。楽しいことを通じて学ばせるというアイデアには賛成です。禁欲的に教師たちの努力に頼るばかりでなく、こういう「仕掛け」をうまく使うというのもありだな、と思いました。
地域ボランティアの協力で学校中に無線LANが敷かれているそうで、子どもたちはネットブックをひとり1台ずつもって勉強していました。案内してくれた先生もiPadを片手に、ちょっとした暇にfacebookをチェックしていました。
連絡網や保護者とのやり取りをfacebookでやるというのは、言われてみればSNSの本来的用途だったな、と気がつきました。
帰国後は集中して小学校で教え、ウィンタースクールに行ったりして、今度はスウェーデンです。今回は統合行政の調査ということで、5日間で6都市をまわる強行軍でした。
宿泊予定のホテルが前日に倒産するハプニングもありましたが、充実した調査になりました。日本では幼稚園と保育園を「子ども園」として統合する議論がようやく始まりましたが、ここスウェーデンではずいぶん前に
改革が済んでいます。
また、北部の小さな自治体では幼保小中、図書館、公民館、映画館、老人福祉施設、役場などを一体化した施設を設置したりしています。そうしたときに、行政はどう役割分担をして運営しているのだろうかというのが今回のポイントでした。
スウェーデンではこれ以外にも、縦割り行政の隙間を補うような省庁横断のプロジェクトをたてています。リスクのある子どもたちに対する支援はその最たるものですが、納税者の利便性やニーズに正面から応えていこうとする姿勢は学ぶことが多いです。
そして、帰国。半年間お世話になった葛飾の小学校で最後の授業をして、江戸川の小学校のウィンタースクールへ行きました。この学校では夏に1カ月間図工を教えていたので、子どもたちも先生方も顔馴染みでした。
半年も経とうというのに、子どもたちは僕が授業中に言った冗談とか何気ない一言をよく覚えてくれていて、うれしくなりました。
スキー教室では、最後に2キロほどの道のりをクロスカントリーのように宿舎まで下りてくるのですが、滑れなくて苦労していた子が校長先生の一言でみるみる滑れるようになって、宿舎に着くころには大きな自信に胸を張っていたり、その彼が後から来た女の子に甲斐甲斐しくねぎらいの言葉をかけたりする姿を見て、感動しました。
彼も普段から周りの人に辛抱強く見守られているのだろうことを想像して、温かい気持ちになりました。卒業まであと何日かという6年生が一体になって、よい思い出ができたことと思います。
そしてそして、2週間の日本滞在の後、再びスウェーデンへ。今回は私称「トトロ基金」(長兄の支援金)でのお出かけです。ヨテボリからストックホルム、ファンランドのユバスキュラを経てウプサラとブレッケに滞在します。メインは今週末の学会発表ですが、久しぶりにこちらの皆さんに会えるのも楽しみです。
季節がらか、世代的にそういう時期なのか、あるいは偶然の積み重ねか分かりませんが、僕の身の回りで生老病死の連絡が頻繁です。
生まれる子もあれば、亡くなる方もいて、病に苦しむ人もいて、その知らせを聞く度に人生のステージについて考えさせられます。
死の意味を考えるということは生の意味を考えるということでもあり、僕は僕でいまのこの時を大事に過ごしていきたいです。
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ネットブックで勉強する子たち
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オッレの野球練習を見に行く
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